楽しけり

新規が伊野尾沼で右往左往しています

ファンタジーとリアル。

「ウチの夫は仕事ができない」を見ました。なんて可愛らしい二人でしょうか。誰もがニコニコして見守ってしまうような。誰かが誰かをこんなに素晴らしく思って賞賛している様が、全く嫌味なく表現されているんです。妻が「こんなステキな人がウチの夫なんです!」と言ってウットリしている一方、夫だって妻のことを「妖精さん」だと思っていて、あろうことか初対面の仕事相手に勿論打ち解けてからですが、普通に「妖精さんとの出会い」の話をしてしまうとは。早々に、「ウチの夫は素晴らしい!」とミュージカルのように歌い踊るシーンがありますが、違和感があるどころか、もっとやれ!いいぞ!と拍手喝采してしまった程です。何故、違和感がないか。これはステキなファンタジーのお話だからである、と言っていいのでは。まるで、キノコの森で出会った妖精の女の子と彼女を愛する男の子の話なのです。そうかファンタジーなのだな、どうか、このまま夢を壊さないで、せいぜい忘れ物がやたらと多いウッカリさんで済ませて、と祈るものの、そもそもタイトルが「仕事が出来ない」んですよ。仕事が出来ない男の子は、仕事場で人でなしのように叱られるのですが、あんなに怒る上司や同僚たちはまるでハリーポッターに出てくるスリザリンの人たちのようではないか。まあ実際、現実世界では顧客から人でなしのように怒鳴られ罵られ人格否定されることはままある事です。しかしだからこそ、仲間である部下や同僚にあそこまで辛く当たらないのですが、まあ、彼が仲間がどんな目に合うかなどの可能性も考えず、取引先を優先した(事情があるにせよ)ことは事実。それでも、画面のこちら側は皆、男の子の味方でい続けるんですね。彼が「優しい」から。損得考えず優しく、そしてその優しさを行動に移し、妖精さんである妻にも決してヒドいことはしないから。しかも、今でも集合住宅のベランダにテントを張ってキノコ部屋を作ってキノコを愛でているんだぜ!

こんな書き方をしたら、まるで作品批判のように聞こえるでしょうか。いえいえ。ファンタジーが好きなので、どんどんやってほしいのです。見ていて楽しくニコニコしてしまうから。今のところ、こんなファンタジーな設定でも役者さんたちが魅力的に演じてくれているので、1話の最後まで途中ではっと夢から覚めることもなく見てしまいました。なので、これから妊娠した奥さんがどのように変化していくか、3名も配役されているマタ友がどのように絡んでくるのかが心配なところですね。

そして、我らが薮くん。薮くんが出演しているからこのドラマを見ている訳ですが、ちゃんと宣言通りに嫌な奴を嫌な奴として演じていて、本当に自然に嫌な奴でした。拍手です。ウチの薮くんは、演技ができる!そのあまりのスタイルの良さに、ちょくちょく画面の向こうの空間を歪めて見せる薮くんですが、比較的顔の小さな方が揃っていたようでそれほど違和感はなかったような。「ペナトーク」の時は本気で目をこすりましたし、「TOKIOカケル」でも、時々あれ、目の錯覚かな?なんか歪んで?(特に尻相撲)となっていましたもの。でも、JUMPと並ぶと自然に馴染む…。JUMPみんな顔ちっさいな!

薮くんもそうですが、JUMPみんな、現実に存在しているのかどうか、と思わせてくれるところが本当に好きなところです。だって、伊野尾担として伊野尾さんのことを例にあげますと、あんなに可愛らしく女の子のような時もあるのに、男性的でもあり、天使のようにふわふわとしているかと思えば、その柔らい唇から下ネタを次々に繰り出してみたり。テキトーなことを言って周囲を煙にまいたりする一方、ちゃんと実学を大学で学び、フィールドワークをしたり学会のためにドイツに渡ったりしている。しかも、学んだのは建築学ときた。理系と芸術系に歴史やら哲学をぶち込んで混ぜたような、聞くだけでカッコ良さげな建築学だ。芸能活動をしていなければ、建築家だったかもしれない、あの見た目で。いやいや、いったいどんなファンタジーだっていうんだ。しかも、歌い踊ってくれたり、毎月毎月ありとあらゆる衣装を着てはこちらを誘惑しにかかる(雑誌のこと)とはこれいかに。現実世界の話かどうか、疑いたくなるのも無理はない。(自分自身の頭の中も疑いたいし、長い 笑)

そう言えば七夕を過ぎて、殆どの映画館で「ピーチガール」の上映が終わってしまいましたが、「ピーチガール」もファンタジーでした。主演の二人が口を揃えてこんな高校生活は送っていなかったと言っていたけれど、このオタクだって当然送っていないのですよ。海辺であんなステキな時間を過ごしてみたかったし、桃の種をあんな風に優しく埋めて、たった一週間後に「花が咲いたよ!」って言われてみたかったし(それも喜ばせよう楽しませようとして)、留学から帰ってきた彼氏と3年後に種を埋めたところを訪れたら、なんと本当に花が咲いているのです。自分と同じ名前を持ち更には「あなたに虜です」とその花言葉によって告白されたその花が。これはもうファンタジーである、と言い切りたい。とても優しいファンタジーなんだ。だから現実味が少し少なかったりもするのですが、見るたびにそのファンタジーの中であっても浮かび上がったリアルが心に残りました。モモがお祭りでカイリともトージとも手を離し、関係を断ち切るように帰る道すがら、堪えようとするのに泣けてきてしまう自分の顔の前に持ってきた手は固く握られていて、両の手のひらで顔を覆ってわっと泣くのではないところが、リアルで忘れられないのです。この泣き方が自然で胸に刺さるのです。カイリがバイト先のレストランで、さあ仕事が終わったとばかりにパティシエの帽子を取り無表情にこちらへ向かって歩いてくるところは、非常に絵になる美しいシーンでした。そしてそれとともに、人はいつだって顔に何か表情を浮かべて生きている訳ではない、あの明るくてチャラいカイリでさえ、と考えてしまい、カイリのリアルを勝手にこちらに読み取らせてしまう力がありました。なんだかんだと心に残った「ピーチガール」。ちなみに、このオタクのスマホには今もチャラチャラとピーチガールのストラップがぶら下がっています。そのままイヤホンジャックに差し込んでしまうと音楽が聴こえないので、スマホカバーに取り付けて、今まさにこの通勤電車の中でもブラブラしている状態。映画の上映が終わったとはいえ、まだ外す気分になれないのでしばらくチャラチャラさせていようと思います(比喩ではなく、本当に動かすと桃の花の飾りがチャラっと鳴るので、邪魔と言えば邪魔なのだが…外せない)。そう言えば、実際に映画館に足を運べたのは6回でした。あとせめてもう1回行きたかったな、と思います。

さあ、このポエム語りにそろそろ皆さんお腹いっぱいになってきたのでは 笑。書き直しても書き直しても、なおポエム。書き直し前を想像してゾッとしてくれ給え。そんなお腹いっぱいの皆さんにまだまだ追い打ちしちゃうよ。

ファンタジーと言えば、「孤食ロボット」。これは押しも押されぬファンタジーです。近未来SFファンタジーと言ってもいい。のに、ご主人様の孤食っぷりがなかなかリアルなんです。ムジャキのご主人様、希巳の姿なんて非常に胸に刺さるものがあって多分一人暮らししていたら、自分もこんな生活かもと思わせてコワイほどです。外食三昧なのに、そこそこ可愛い土鍋を持っていたりするのもかえってリアル。大して使いやしないのに、だからこそたまには料理!と思って買うだけ買ってみた感。そして、どのアンドロイドも可愛いのが分かるし人間くさくて、これは手離したくないですね。でも、特にムジャキとヤンチャのご主人様、何だかんだ言いつつ、2人に甘くて驚きます。だって、勝手に食材バンバン発注されて、しかもそれが高級品も高級品。昆布があの量で5千円!? それも小松菜の煮浸し作る為だけに? その昆布を煮て食べるとかじゃないんだ…。ワタシなら、いくら可愛らしくて情がうつっても返品しようか悩むし、真剣に本部に発注機能の設定変更が出来ないか相談するよ。最初、3千円の食事券とどちらか選択できるプレゼントにしては原価の高いものを顧客に提供し過ぎだけどどうやって採算取っているんだろう。景品法に抵触しないのか、などと真剣に考えたオタクですが(漫画の話ですよー?)、充電はこの店でしか出来ずその間に食事をするとなると、充電がどのくらいの頻度か不明ですがそこそこお金を落とすことになるでしょうし。(オットリが、「いつも私のためにありがとうございます」などとお礼を言っている 笑)その上、勝手に高額な食材を注文しても、文句言いながらも払ってくれるのか。あの天使のようなムジャキですら、希巳に「ノルマ達成?」と突っ込まれても、「そんなことはありませんー希巳さまの健康のためです!」などと言うかと思いきや、ニカッと笑って親指を立て否定しないのだから笑ってしまいました。原作では当初あまりフォーカスされていなかった採算性に、ドラマではのっけからがっちり触れられているのは、制作サイドでも疑問に思ったのでは。リアルで面白いです。さらに、リアルとの融合ということで言えば、ご主人様達や原作者の岩岡さんがリアルでかなりTwitterを活用していて、これもかなり楽しいですね。放送局拡大に従って、西へ東へ向かうムジャキ、ヤンチャ、オットリ。など、かなりタイムリーに絵を描いて上げてくれますし、原作にはないデリバリーの二本松さんも絵に登場させてくれたりします。6/30のMステの時には、TVを見てくれたゆたかと希巳さま(森田甘路さんと三倉茉奈さん)が「まぁウチの子が一番だけどね ニヤリ。」「まぁヤンチャが一番目立ってましたけどね。」「いやいやいや、ムジャ目立ってたしっ!笑顔一番光ってたし!」なんて可愛い親バカやり取りしてるんですよ。はあー現実かこれ?オタクの妄想とかじゃないんだよね。ファンタジーにリアルが侵食していくような面白さがありますね。


今回、タイトルを「ファンタジーとリアル」としましたが、「なるべくファンタジーのままであって欲しい『ウチの夫』」、「ファンタジーの中のリアルが忘れられない『ピーチガール』」、「ファンタジーとリアルの境界の揺らぎが面白い『孤食ロボット』」と言えるかと思います。そして、この3つともそっくりそのまま、JUMPにも言えることなんですよね。このオタクが、ジャニーズの中でも取り分けJUMPが好きな理由かもしれません。と、多分6兆2,200億回くらい考えたことをしつこく書いて終わります。